「変動金利と固定金利、結局どっちがいいの?」これは住宅ローンの相談で一番多く聞かれた質問と言っても過言ではありません。金融機関で7年働く中で、本当にたくさんの方からこの質問を受けてきました。今回は、それぞれの特徴と、現場感覚での選び方についてまとめます。

変動金利とは

変動金利は、市場金利の変動に応じて、半年ごとなど定期的に適用金利が見直されるタイプです。一般的に固定金利より当初の金利水準が低く設定されているのが特徴で、多くの金融機関で最も選ばれている金利タイプでもあります。ただし、将来的に金利が上昇すれば返済額も増えるリスクがあります。実際には「5年ルール」「125%ルール」という激変緩和措置を設けている金融機関が多く、返済額が急激に増えることは少ないですが、その分、未払い利息が発生する可能性がある点には注意が必要です。

固定金利とは

固定金利は、借入時に決めた金利が返済終了まで変わらない「全期間固定型」と、一定期間(10年など)だけ金利を固定し、期間終了後に再度金利タイプを選び直す「固定期間選択型」があります。全期間固定型は、フラット35のように住宅金融支援機構が提供する商品が代表的です。返済額が変わらない安心感がある一方、当初の金利水準は変動金利より高めに設定されています。

金利タイプの選び方

どちらが得かは、将来の金利動向次第という面が大きく、正直「絶対にこっちが得」とは言い切れません。ただ、現場で相談を受けていた感覚で言うと、以下のような考え方をする方が多かったです。

  • 返済比率に余裕がある人は、変動金利で低い返済額を活かし、繰り上げ返済などで元金を早めに減らす
  • 返済比率がギリギリ、家計に余裕がない人は、固定金利で将来の金利上昇リスクを避け、返済額を確定させる
  • 借入期間が短め(10〜15年程度)の人は、金利上昇の影響を受ける期間が短いため、変動金利のメリットを享受しやすい

実際どちらを選ぶ人が多いか

現場の感覚としては、変動金利を選ぶ人の方が圧倒的に多かったです。当初の返済額を抑えられる魅力が大きい一方、金利上昇時のシミュレーションをせずに契約してしまう方も一定数いたので、「金利が1%上がったら返済額はいくらになるか」を事前に必ず確認しておくことをおすすめしています。

借り換えという選択肢

すでに住宅ローンを組んでいる方は、金利タイプの「借り換え」も選択肢の一つです。ただし、借り換えには事務手数料や登記費用などのコストがかかるため、金利差や残りの返済期間によっては、かえって損をしてしまうこともあります。一般的には、残債1000万円以上・返済期間10年以上・金利差1%以上、という3つの条件が借り換えの目安と言われています。

実際に相談を受けて印象に残っていること

窓口にいた頃、金利タイプで迷っているお客様には、必ず「金利が2%上昇したら、月々の返済額はいくらになるか」を一緒に計算してもらうようにしていました。実際に数字を見ると「思ったより増える」と感じる方が多く、そこで初めて固定金利を検討し始めるケースも少なくありませんでした。逆に、繰り上げ返済を積極的に行う前提の方には、変動金利のメリットをしっかり説明していました。金利タイプの選択は、性格やライフプランとの相性も大きいと感じています。

共働き世帯・単独収入世帯での考え方の違い

共働きで世帯収入に余裕がある場合は、変動金利のリスクを取りやすい一方、単独収入で教育費など将来の支出増加が見込まれる場合は、固定金利で返済額を確定させておく方が家計管理はしやすくなります。ライフプラン全体を見据えて、金利タイプを選ぶという視点も大切です。

金利タイプは途中で変更できる?

多くの金融機関では、返済期間の途中で変動金利から固定金利へ、あるいはその逆へと切り替えることが可能です(手数料がかかる場合もあります)。ライフステージの変化(子どもの進学、収入の変化など)に合わせて見直すという考え方もできるので、一度決めたら変更できないと思い込まず、定期的に見直す機会を作っておくと安心です。

よくある質問

Q. 金利タイプは審査結果に影響する?

一般的に、変動金利・固定金利で審査基準そのものが大きく変わることはあまりありません。ただし、返済負担率の計算方法(審査金利)は金融機関によって異なり、変動金利でも将来の金利上昇を見込んだ高めの金利で審査されることがあります。

Q. 迷ったらどうすればいい?

「返済額が多少上がっても家計が耐えられるか」をシミュレーションしたうえで、耐えられるなら変動金利、不安が残るなら固定金利、という考え方が現場感覚としては分かりやすいと思います。

まとめ

変動金利・固定金利のどちらが得かは、将来の金利動向次第で変わるため、一概には言えません。この記事の内容は元銀行員としての一般的な傾向・考え方であり、個別の借入条件によって最適な選択は変わります。実際の借入にあたっては、必ず金融機関の窓口でシミュレーションを行ったうえで判断してください。

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