NISAを使って積立投資をしている人も増えている中、「NISAと信用取引って何が違うの?」「NISA口座の資産は信用取引の担保にできるの?」という質問をよく見かけます。今回は、NISAと信用取引の違い、そして併用する場合の注意点について整理してみます。
NISAとは
NISA(少額投資非課税制度)は、一定の投資額の範囲内で得た利益(値上がり益・配当・分配金)が非課税になる制度です。新NISAでは、つみたて投資枠と成長投資枠の2つの枠があり、生涯にわたって非課税で保有できる上限額が定められています。長期・積立・分散投資を目的とした制度であり、そもそも信用取引(レバレッジをかけた取引)とは仕組みが根本的に異なります。
信用取引とは(おさらい)
信用取引は、証券会社に担保を預けて、自己資金以上の金額で取引を行う仕組みです。NISAが「非課税で堅実に増やす」制度なのに対し、信用取引は「レバレッジを効かせて短期的に利益を狙う」性格が強く、目的も性質も大きく異なります。信用取引そのものの仕組みについては、別記事でも詳しく解説しています。
NISA口座の資産は信用取引の担保にできる?
結論から言うと、NISA口座内の資産をそのまま信用取引の担保にすることはできません。信用取引は「特定口座」または「一般口座」で行う取引であり、非課税口座であるNISA口座とは別枠で管理されています。一部の証券会社では、代用有価証券として保有資産を担保にできる制度がありますが、NISA枠内の株式がそのまま使えるわけではない点に注意が必要です。
併用はできる?
NISA口座と信用取引用の口座(特定口座・一般口座)は、同じ証券会社内で別々に開設・利用することができます。つまり「NISAでコツコツ積立をしながら、別枠の口座で信用取引にも挑戦する」という併用スタイルは可能です。僕自身もこのスタイルで、NISAは長期の資産形成、信用取引は短期的なチャレンジ、と役割を分けて考えています。
初心者はどちらから始めるべきか
投資の目的によりますが、これから投資を始める方には、まずNISAでの積立投資をおすすめします。非課税メリットを活かしながら、値動きに慣れることができますし、失っても取り返しのつかない金額になりにくいというのも大きな安心材料です。信用取引は、投資の基本的な値動きの感覚が身についてから、余裕資金の範囲で挑戦するのが良いと考えています。
資金管理の考え方
NISAと信用取引を併用する場合、生活防衛資金(生活費の半年〜1年分程度)を別に確保したうえで、NISAの積立資金と信用取引に回す余裕資金をはっきり分けて管理することをおすすめします。信用取引で追証が発生した場合に、NISAの積立を取り崩さなければならない状況は避けたいところです。
つみたて投資枠と成長投資枠の使い分け
新NISAのつみたて投資枠は、金融庁が定めた基準を満たす投資信託が対象で、長期・積立・分散に適した設計になっています。成長投資枠は上場株式や幅広い投資信託が対象で、個別株投資にも使えます。信用取引に挑戦したいと考えている方でも、成長投資枠を使って個別株を非課税で保有しつつ、別途信用取引口座で短期売買を行う、という組み合わせ方が現実的だと感じています。
心理面での違いも意識しておきたい
NISAは非課税というメリットがある分、長期保有を前提とした「じっくり構える」心理になりやすいのに対し、信用取引はレバレッジがかかっている分、値動きへの意識がどうしても短期的になりがちです。この心理的な切り替えができないと、本来長期保有すべきNISA資産まで短期的な感覚で売買してしまう、ということにもなりかねないので、口座だけでなく気持ちの面でもしっかり区別しておくことをおすすめします。
僕が実際に使っている証券口座
参考までに、僕自身が使っている証券口座も紹介しておきます。
楽天証券
NISAでの積立投資はこちらをメインで使っています。楽天ポイントとの連携があり、取引や投信保有でポイントが貯まる・使えるのが魅力です。取引ツールも初心者にとって見やすく、口座数が多い分、情報やレビューも探しやすいのがメリットだと感じています。
松井証券
信用取引はこちらをメインで使っています。老舗のネット証券で、手数料体系がシンプルなうえ、信用取引用の取引ツールが充実している印象です。NISA用と信用取引用で口座を使い分けることで、資金の性格をはっきり分けて管理できています。
よくある質問
Q. NISA口座だけで信用取引はできない?
できません。信用取引を行うには、別途「信用取引口座」の開設が必要です。NISA口座は非課税での現物取引専用の口座という位置づけです。
Q. 新NISAの非課税枠を使い切ったらどうすればいい?
非課税枠を使い切った後は、特定口座などの課税口座で投資を続けることになります。信用取引を検討する場合も、この特定口座で信用取引口座を開設する流れが一般的です。
まとめ
NISAと信用取引は、目的も仕組みも異なる制度です。NISAは非課税で着実に資産形成をするための制度、信用取引はレバレッジを使って積極的にリターンを狙う取引、とすみ分けて理解しておくと、投資戦略を考えやすくなります。この記事の内容は個人の見解であり、投資助言ではありません。制度の詳細や最新の非課税枠については、必ず金融庁や各証券会社の公式情報をご確認ください。
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